タイ語の子音について

タイ語の発音について
クワーイくん
クワーイくん

ノイ先生、タイ語の母音にどういう音があるのかは分かりました。まだまだ練習しないと上手く発音できないのもありますけど。

ノイ先生
ノイ先生

クワーイさんは熱心なので、どんどん上手くなると思いますよ。さて、クワーイさん、次は子音です。

クワーイくん
クワーイくん

子音は難しいですか?

ノイ先生
ノイ先生

母音に比べると難しいです(きっぱり)

母音と同じく、日本語に無い音もあるし、有気音と無気音の違いも意識しないといけませんし、末子音など子音のみの発音は日本人は苦手ですね。

クワーイくん
クワーイくん

はっきりと言いますね…

ノイ先生
ノイ先生

でも、子音は舌や唇などを接触させて音を作るので、舌や唇など口の位置や動きを理解すれば、母音に比べて習得しやすい、ということもありますよ!

クワーイくん
クワーイくん

うーん、なるほど。とにかくお願いします!

ノイ先生
ノイ先生

はい!頑張りましょう。

 

タイ語の子音には、頭子音と末子音があります。

音節の先頭にくる子音を「頭子音」といい、音節の最後にくる子音を「末子音」といいます。

まずは頭子音から説明します。

 

以下に発音記号を使って、各子音を説明していきますが、タイ語の発音記号は、タイ語独特の音を表す為、いくつか英語の発音記号と異なっています。

・有気音を表す為に [h] を付けます。例えば、[kh] は有気音で、[k] は無気音です。
・Ch の音の発音記号は、英語の場合、[ʧ] ですが、タイ語の場合、有気音は [ch] で、無気音は です。
・Y の音の発音記号は、英語の場合、[j] ですが、タイ語の場合、[y] です。

 

また、子音の発音に置いて、口の形、舌の位置を意識することは非常に大事です。

各子音の説明に、口の形を横から見た断面図を付けているので、見ながら、口の形、舌の位置を意識するようにしてください。

 

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頭子音

 

[kh]
有気音です。
日本語の「カ行」、英語の [k] の子音を、息を出して発音します。
舌の根元と軟口蓋(口の天井の奥の柔らかい部分)をつけて息の流れを一旦止めてから破裂させます。
例: [khʉʉ]「すなわち」

 

[k]
無気音です。
日本語の「カ行」、英語の [k] の子音を、息を出さないように発音します。
舌の根元と軟口蓋(口の天井の奥の柔らかい部分)をつけて息の流れを一旦止めてから破裂させます。
例: [kaa]「カラス」

 

[s]
日本語の「サ、ス、セ、ソ」、英語の [s] の子音です。
舌先を上の歯茎に接近させて、息の流れで摩擦を起こす音です。
例: [saa]「弱まる」

 

[th]
有気音です。
日本語の「タ、テ、ト」、英語の [t] の子音を、息を出して発音します。
舌先を上の歯茎につけて息の流れを一旦止めてから破裂させます。
例: [thaa]「塗る」

 

[t]
無気音です。
日本語の「タ、テ、ト」、英語の [t] の子音を、息を出さないように発音します。
舌先を上の歯茎につけて息の流れを一旦止めてから破裂させます。
例: [too]「大きい」

 

[d]
日本語の「ダ、デ、ド」、英語の [d] の子音と同じです。
舌先を上の歯茎につけて息の流れを一旦止めてから破裂させます。
例: [duu]「見る」

 

[ch]
有気音です。
日本語の「チャ、チュ、チョ」、英語の [ch] の子音を、息を出して発音します。
舌先より少し舌の中央よりの部分を硬口蓋(口の天井の歯茎の後ろの硬い部分)に、舌先は歯茎に接近させて破裂の直後に摩擦を起こす音です。[ch] の音ですが、息を強めに吐き出すためか、場合により、 [sh] に近い音に聞こえることがあります。実際タイ語には [sh] の音が無いので、タイ人が英語の [sh] を発音するときは、この [ch] で代用します。
例: [chaa]「茶」、[chii]「修行僧」

 

無気音です。
日本語の「チャ、チュ、チョ」、英語の [ch] の子音を、息を出さないように発音します。
舌先より少し舌の中央よりの部分を硬口蓋(口の天井の歯茎の後ろの硬い部分)に、舌先は歯茎に接近させて破裂の直後に摩擦を起こす音です。
例: 「会う」

 

[n]
日本語の「ナ行」、英語の [n] の子音です。
舌先を上の歯茎につけたままの状態で鼻から息を抜いて発音します。
例: [naa]「田」

 

[ŋ]
英語の [ŋ] の子音です。
[n][g] の2つの子音が連続して一つになった子音なので、最初の [n] の音は非常に短く発音します。
舌先を上の歯茎につけた状態([n] の音)からすぐに、舌の根元と軟口蓋(口の天井の奥の柔らかい部分)をつけた状態([g] の音)にして、鼻から息を抜いて発音します。
英語にもある音ですが、語尾だけでなく、語頭にもくるのが特徴的で、語頭にくるときは外国人には発音が難しい音です。
例: [ŋuu]「ヘビ」

 

[h]
日本語の「ハ、ヘ、ホ」、英語の [h] の子音です。
喉の奥の声門で摩擦を起こして発音します。
日本語の「ハ」行よりもっと喉の奥で音を出すように意識しましょう。
例: [haa]「大勢の人の笑い声」

 

[ph]
日本語の「パ行」、英語の [p] の子音を、息を出して発音します。
有気音です。
両唇を閉じて息の流れを一旦止めてから破裂させます。
例: [phɔɔ]「十分な」

 

[p]
日本語の「パ行」、英語の [p] の子音を、息を出さないように発音します。
無気音です。
両唇を閉じて息の流れを一旦止めてから破裂させます。
例: [pii]「年」

 

[b]
日本語の「バ行」、英語の [b] の子音とほぼ同じです。
両唇を閉じて息の流れを一旦止めてから破裂させます。
例: [bia]「ビール」

 

[f]
英語の [f] の子音です。
上の歯で下の唇を軽く噛むような状態で、歯と唇の間から息を出して摩擦を起こして発音します。
例: [fuu] 「ふくらむ」

 

[m]
日本語の「マ行」、英語の [m] の子音です。
両唇を閉じたままの状態で鼻から息を抜いて発音します。
例: [maa] 「来る」

 

[y]
日本語の「ヤ、ユ、ヨ」、英語の [y] の子音です。
[yi] のように、口の開きが狭い母音の場合、日本語の「ジ」に近い音になることがあります。
舌先より少し舌の中央よりの部分を硬口蓋(口の天井で、上の歯茎の後ろの硬い部分)に近づけて弱い摩擦を起こす音です。
例: [yaa] 「薬」、[yii] 「もみほぐす」

 

[r]
日本語の「ラ行」の子音ですが、上の歯茎の少し後ろの位置で、舌先で少し弾くように発音します。英語の R のように、舌の中央を盛り上がらせて、こもったような音にする必要はありません。
ニュースなどの正式な発音では、舌先を何回か震わせる巻き舌になることがあります。
日本語のべらんめえ口調の巻き舌は、多少粗野な印象ですが、タイ語のこの音では、巻き舌にするほうが丁寧というか公式な発音の印象になります。
例: [ruu] 「穴」

 

[l]
英語の [l] の子音です。
舌先を上の歯茎につけたまま、息を舌の側面を通して発音します。
例: [laa] 「別れる」

 

[w]
日本語の「ワ、ウィ、ウェ、ウォ」、英語の [w] の子音ですが、もう少し口の開きが狭いです。
また、口の開きが狭いため、両唇が少し接して、弱い摩擦が起こり、[v] に近い音になることがあります。
(英語の [v] の音は上の歯と下の唇が接する音ですが)
実際タイ人は英語の [v] の音をこの音で発音します。
また、日本人は [wu] を発音すると、[w] を発音せずに母音の [u] だけを発音してしまうことが多いので、もっと両唇をすぼめて [w] の音を出すようにしましょう。
例: [waa] 「尋(長さの単位)」、[wua] 「牛」

 

[ʔ]
母音をそのまま発音するときの発音記号です。
声門を閉じて息を一旦止めてから破裂させる音です。
前に単語があって続けて発音する場合、前の単語の末子音と [ʔ] の後の母音が繋がった音にならないように注意します。
例: [ʔaa] 「父の弟妹」

 

 

有気音と無気音の区別について

 

[kh][k][th][t][ch][ph][p] の子音は、それぞれ有気音と無気音として、区別して発音します。

 

有気音と無気音のチェックをするには、発音するときに、口の前に手のひらをかざし、

息を感じれば有気音、息を感じなければ無気音、

という方法で、きちんと発音できているかチェックができます。

 

無気音は、簡単に近い音を出す方法として、

日本語の濁音にする( [k] は「ガ」行、[t] は「ダ」行、 は「ヂャ」行、[p] は「バ」行で発音する)、

という方法もありますが、あまりこの癖をつけないほうがいいです。

[t][d] と、[p][b] と区別しなければなりませんし、日本語の濁音に置き換えて発音すると、タイ人にもある程度通じる発音になりますが、タイ人は若干の違和感を感じていますし、ときどき通じないこともあります。

無気音を出すコツは、発音の際に口の中に少し力を入れる感じで、息を吐き出さないように発音します。

 

また、一般的に、有気音のほうが日本語の「カ」行、「タ」行、「チャ」行、「パ」行に近く、無気音のほうが発音が難しい、と言われますが、有気音も意識的に息を吐き出すように発音する必要があります。例えば、[khaa] の音は、極端に言うと、「カ(ハ)ー」という感じです。

というのも、日本語の「カ」行、「タ」行、「チャ」行、「パ」行の子音は、前後の音の影響を受けて、無気音に近い音になってしまうこともあるからです。

有気音は意識的に息を吐き出すように発音しないと、タイ人に通じないことがあります。

 

二重子音について

 

頭子音には、子音を連続して発音する二重子音もあります。

[kh][k][th][t][ph][p] などの破裂音と、

[r][l][w] が結合した音です。

2つの子音の間に母音が入らないように、子音と子音を続けて発音します。

 

口語の発音では、2番目の [r][l] が消えて、最初の子音のみで発音されることがあります。

例: 「魚」の [plaa] → [paa]

会話ではよく聞こえてきますので、口語ではこういう特徴もあることも覚えておきましょう。

 

二重子音 単語例
[khr] khruu 「教師」
[khl] khlia khlɔɔ 「寄り添う」
[khw] khwɛɛ 「支流」
[kr] krɔɔ 「(糸を)巻く」
[kl] klʉa 「塩」
[kw] kwaa 「瓜(うり)」
[tr] traa 「印章」
[phr] phrɛɛ 「絹布」
[phl] phlia 「衰弱する」
[pr] prɛɛ 「変わる」
plaa 「魚」

 

 

末子音について

 

タイ語の末子音の特徴は、息の流れが止まる、ということです。

このため、破裂や摩擦が起きない、もしくはかなり弱化するので、タイ語の末子音はかなり聞き取るのが難しいです。

タイ語を勉強し始めて最初の頃なら、前後の音にもよりますが、タイ語の末子音のいくつかは日本人の耳には「ほぼ聞こえません」。

 

英語と比較すると、英語の末子音は破裂や摩擦が起きて、末子音の音が聞こえるので、かなり違います。(英語の末子音でも、語の前後関係から音が消えても理解可能な場合は、末子音が消えることはあります。)

 

聞き取りに関しては、自分で発音の練習を繰り返して、タイ人と会話してタイ人の発音を聞くのを繰り返すうちに、だんだん聞き取れるようになります。

 

自分で末子音を発音するときは、とにかく口の形を意識することが大事です。

口の形が合っていれば、通じます。

 

[k]
日本語で「マック」と発音するときに、「ク」を言わずに「マッ」で止めたときの「ッ」の音です。
舌の根元と軟口蓋(口の天井の奥の柔らかい部分)をつけて息の流れを止めるだけで破裂させません。
例: [dàk] 「待ち伏せする」

 

[t]
日本語で「バット」と発音するときに、「ト」を言わずに「バッ」で止めたときの「ッ」の音です。
舌先を歯茎につけて息の流れを止めるだけで破裂させません。
例: [dàt] 「矯正する」

 

[n]
日本語で「あんない(案内)」と発音するときに、「ない」を言わずに「あん」で止めたときの「ん」の音です。
舌先を歯茎につけたままの状態で鼻から息を抜いて発音します。
例: [dan] 「押す」

 

[ŋ]
日本語で「あんがい(案外)」と発音するときに、「がい」を言わずに「あん」で止めたときの「ん」の音です。
末子音のときは、舌先を歯茎につける必要はありません。
舌の根元と軟口蓋(口の天井の奥の柔らかい部分)をつけたままの状態で鼻から息を抜いて発音します。
日本語の語尾の「ン」はこの音に近いです。
例: [daŋ] 「大声の」

 

[p]
日本語で「モップ」と発音するときに、「プ」を言わずに「モッ」で止めたときの「ッ」の音です。
両唇を閉じて息の流れを止めるだけで破裂させません。
例: [dàp] 「消える」

 

[m]
日本語で「せんむ(専務)」と発音するときに、「む」を言わずに「せん」で止めたときの「ん」の音です。
両唇を閉じたままの状態で鼻から息を抜いて発音します。
例: [dam] 「黒い」

 

[y]
前の母音を発音した後、[i] を軽く発音します。
これを末子音と考えるかどうかは意見が分かれます。
[i] と前の母音とつなげ合わせて複合母音と考えてもいいです。
発音記号の表記も、[y][i] もどちらも目にします。この音は頭子音の [y] とは違いますし、母音の [i] なので、図は割愛します。
例: [day] 「何の、どの」

 

[w]
前の母音を発音した後、[u] もしくは [o] を軽く発音します。
この音も、末子音と考えるかどうかは意見が分かれます。
[u] と前の母音とつなげ合わせて複合母音と考えてもいいです。
発音記号の表記も、[w] も、[u] もしくは [o] もどちらも目にします。
また、この音は、前の母音の口の開きによって、音の「ゆらぎ」があり、前の母音が [i] のように狭い場合は [u] に近くなり、[a] のように広い場合は [o] に近くなります。この音は、母音の [u] もしくは [o] なので、図は割愛します。
例: [daw] 「推測する」

 

[ʔ]
日本語の「アッ」のように、後ろに音が無い場合の、小さい「ッ」の音に近いです。
声門を閉じて息を止めたときの音です。
短母音の後に付きます。この音は、日本語の小さい「ッ」を意識すればいいので、図は割愛します。
例: [dàʔ] 「片っ端から」

 

 

タイ語ではリンキング、リエゾンは起こらない

 

タイ語の末子音の発音でもう一つ注意すべき点は、次の音節の頭子音や母音と音が繋がらない、ということです。

英語だと、例えば、「Shut up」は「シャップ」、「Can I」は「キャイ」と発音されるように、リンキング、リエゾンと言われる、末子音と次の語の頭の母音が繋がって発音される現象が起こります。

 

しかしタイ語では、音節と音節はしっかり区切って発音します。

例えば、ร้านอาหาร [ráan ʔaahǎan]「レストラン」は、最初の語の末子音の [n] と次の語の頭の母音の [a] をつなげて、「ラーハーン」と発音せず、しっかり区切って「ラーン・アハーン」と発音しなければなりません。

 

また、子音同士でも、音が繋がらないよう注意が必要です。

例えば、คุณแม่ [khun mɛ̂ɛ]「お母さん」は、一つ目の語の末子音 [n] が、二つ目の語の頭子音の [m] に影響を受けて、[m] の音にならないように注意してください。
しっかり [n] の末子音を発音した上で、次の頭子音 [m] を発音しましょう。

 

タイ語の英単語の発音について

 

また、日本のカタカナ英語のように、タイ語の日常語彙の中に英単語も沢山入ってきていますが、タイ文字で綴られると、英単語の発音もタイ語風に発音されることもあるのですが、最近では、元の英語の音に近い発音をすることも増えています。

特に、末子音の発音にそれが見られます。

 

例えば、バンコクを走るスカイトレインの「BTS」は、タイ文字で綴るとบีทีเอสで、最後の音節は、タイ語風に発音すると [et]「エッ(ト)」になるのですが、英語の発音に近い [es]「エス」と発音されることが多いです。

 

また、例えばイスラエルという国名をタイ文字で綴ると、อิสราเอลで、最後の音節は、タイ語風に発音すると [en]「エン」になるのですが、英語の発音に近い [el]「エウ」(英語の末尾の L の発音と同じく「ウ」に近い発音です)と発音されることが多いです。

 

傾向としては、外来語としてタイ語に取り入れられて歴史が長いものは、タイ語風の発音のままですが、比較的新しく取り入れられた英単語は、英語風に発音されることが多いです。

例えば、บอลล์「ボール」は [bɔɔn]「ボーン」と発音されますが、อีเมล「Eメール」は [iimeel]「イーメーウ」と発音されます。

 

ただし、これに当てはまらないこともあるので、英語風の発音、タイ語風の発音が混在している、と覚えておくとよいでしょう。

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